なぜ長寿の神果なのか?
羅漢果は、中国南部の広西チュワン族自治区が原産のウリ科の多年生つる草本です。果実は、直径4〜6cm位のほぼ球形で、濃い緑色でやや光沢を帯びています。ブドウのように棚を作って栽培し、棚の間につけた実を収穫します。雌雄別株で栽培は難しいといわれています。果実はきわめて強い甘味を持ち、コクのある独特の風味が特長です。中国の民間療法では、あらゆる病の予防と治療に効果を発揮する不老長寿の神果とまでいわれています。
羅漢果という名前から、お坊さんに関係していると思われますが、この果実の薬効を発見した「羅漢」という医師の名前から羅漢果といわれるようになったともいわれています。この伝承ではヤオ族の医師であった羅漢は、この果実があらゆる病気の予防と治療に高い効果を示すことを発見したといわれています。羅漢果の果実を乾燥させ、煎じて飲むと、咳止めやノドの荒れ、痰の切れなどに効果があることから、京劇の俳優さんたちにも愛用されていました。また、解熱、肝臓の不調や胃の悪いときなど広く利用されてきました。
生の羅漢果
乾燥させた羅漢果
サラヤの研究(1990年代~2000年代)によって、羅漢果が老化やさまざまな病気の原因となる活性酸素の作用を抑制することが科学的に解明されてきました。中国で「長寿の神果」として伝えられるのは、経験的にそのチカラを感じとっていたからかもしれません。
私たちが日本のお店で目にするのは茶褐色の乾燥した羅漢果です。現在、中国政府は、重点保護植物として種子や生の果実の国外への持ち出しを厳しく管理しているため、日本では乾燥果実か抽出エキスしか手に入りません。